弱小野球チームを強くする方法——提案したけど、実現しなかった話

弱小野球チームを強くする方法——提案したけど、実現しなかった話 仏教

はじめに

中学時代の野球部の話です。

タイトルに「考えていました」と過去形で書いたのは、実現できなかったからです。

提案はしました。しかし採用されませんでした。なぜ通らなかったのか、そしてどうすれば強くなれたのかを、仏教の因果の道理と合わせて振り返ってみます。


チームの状況

まず当時の状況を整理します。

  • グラウンドは高校の公式野球部とサッカー部が占有。練習できるのはグラウンド脇の狭いスペース(ブルペンの約2倍程度)のみ
  • 部員は10人。全員をレギュラーにせざるを得ない状況
  • ピッチャーは2人だけ
  • 試合では三振・凡打が多く、得点につながらない

問題は環境だけではありませんでした。チームの意思決定において、提案が検討されることなく却下されるという構造的な問題がありました。

仏教的に言えば、慢心(自分が正しいという思い込み)・愚痴(何でも他人のせい)・瞋恚(うまくいかないとすぐ怒る)——煩悩に振り回された状態では、良いチームは作れません。これは野球に限らず、どんな組織でも同じです。


問題と対策——三つの制限

制限① グラウンドが狭い

遠投できない。思い切りバットを振るとボールが他の部活のエリアに飛んでしまう。

対策:ボールを変える

グラウンドを変えることは難しい。バットを変えると、フォームが崩れたり怪我のリスクが生まれます。最も現実的なのはボールを変えることです。

提案したのは紙で作ったボールです。

軽くなるため思い切り打っても飛びません。どれだけ打っても他の部活の邪魔にならない。さらに、重さの違うボールを使うトレーニングは、自分の体の動きに集中しやすくなるという効果があります——瞑想やマインドフルネスに通じる発想です。

実践を前提にした練習、つまり逆算した練習は効果が出やすいです。

取り入れたかったもう一つの練習:選球眼

試合でボールとストライクの判断ができない選手が多く、三振や凡打が続いていました。対策として、投げられたボールをただ集中して見る——ボールかストライクかだけを判断する練習を提案したかった。

イチロー選手が幼少期にバッティングセンターで実践していた練習と同じ発想です。この練習は打者の選球眼を鍛えるだけでなく、ピッチャーのコントロール向上にも使えます。


制限② 人数が少ない

10人しかいないため、下手な選手もレギュラーにならざるを得ない。問題はどのポジションに置くかでした。

当時のチームは「肩が弱いからファーストに近い内野に置く」という理由で、セカンドとショートに経験の浅い選手を配置していました。

しかしこれは逆効果です。

セカンドとショートは、試合で最もボールが飛んでくるポジションです。 ゴロの大半はここを経由してアウトになります。ここを守備力の低い選手に任せると、外野前ヒットになる確率が無条件で上がります。ゲッツーも取れなくなります。

対策:適材適所

部員が少ないからこそ、ポジションの優先順位を明確にする必要があります。

経験者を置くべき優先ポジションは、ファースト・セカンド・ショート・キャッチャーです。ピッチャーは小中学生の軟式野球ではコントロールさえ安定していれば十分です。プロやMLBのような三振を取るピッチングは現実的ではありません。今の状況を正確に見ることが大切です。


制限③ ピッチャーが2人しかいない

ピッチャーが少ないと、打者が二巡目に入ったとき対策されやすくなります。初見のピッチャーが打たれにくいのは、どのレベルでも変わらない原理です。

対策:ピッチャーを増やす

自分がピッチャーに加わることを申し出ました。複数のピッチャーをローテーションさせるだけで、相手打線への対策は変わります。


なぜ実現しなかったのか

三つの提案はすべて却下されました。検討すらされませんでした。

仏教的に見れば、原因は明確です。因(提案・改善の行動)を出す前に、煩悩(慢心・愚痴・瞋恚)が判断を遮っていたのです。

「あいつはやる気がない」という一言で却下するのは、愚痴(他因自果)の典型です。物事の原因を相手の態度に帰してしまい、内容を検討しない。これでは因果関係を正しく見ることができません。

結果は、予測通りのものになりました。因が変わらなければ、果は変わらない——因果の道理通りです。


組織で提案が通らないとき

これは野球部に限った話ではありません。会社でも学校でも、似たような構造は起きます。

慢心・愚痴・瞋恚に振り回されたリーダーがいる組織では、良い提案が検討されません。改善の因が積み重ならないため、同じ果が繰り返されます。これが負のサイクルです。

仏教では、負のサイクルをやめ正のサイクルを作ることを**「廃悪修善(はいあくしゅぜん)」**といいます。

一つでも試してみて、うまくいかなければ元に戻せばいい。変化への抵抗こそが、組織を止まらせる最大の因です。


まとめ

問題があるなら、工夫して解決する。実践を前提に逆算して考える。適材適所を徹底する。

どれも難しいことではありません。ただし、一緒に動く人を選ぶことが前提になります。

煩悩に振り回された状態では、どれだけ良い提案も届きません。届く相手に届けること——これも因果の道理のうちです。


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