とある会話がありました。
A「スマートウォッチいくらした?」
B「タダでもらいました。父親がパチンコの景品でスマートウォッチを毎回取ってくるので家族や親戚に配っているんです。そういうことするのが好きみたいです。自分もスマートウォッチをもらっています。4〜5個ありますね。」
A「次もらったら、もらえたりする?」
C「不要なら売れば?割引で」
B「いや、せっかくもらったものなので、そういうことはしないです。」
C「へぇ〜そうですか。Aさんは不要なものは売らないの?」
A「そういうことはしないです。その人の気持ちがあるので」
C「売ってお金の価値を引き上げようよ」
ということで、以下の説明をしました。
【お金の価値を引き上げる方法】
科学的実験が2つあります。お金の使い方と幸福度の関係を調べた実験です。
実験1:AグループとBグループに分けました。それぞれお金の使い道として、Aグループには家具やTVなどの形の有る資産(有形資産)に使うように指示しました。Bグループには体験や経験などの形の無い資産(無形資産)に使うように指示しました。その後の幸福感はどうなったのか?
結果:Bグループの方が幸福度が高くなりました。無形資産には、体験、経験、思い出のほか知識、信頼、行いなどがあります。仏教では、有形資産よりも無形資産の方が素晴らしいと言います。有形財産はすぐになくなるが、無形資産はそう簡単に無くならないということです。知識などがあればやり直すことができるんですね。
実験2:アメリカの実験ですがCグループとDグループに分けました。それぞれ20ドルを渡しました。それを今日中に使ってください。ただし、Cグループには自分のために全部使う指示をし、Dグループには他人のために全部使う指示をしました。その後幸福感はどのように高まったか?
結果:著しい結果が出ました。CグループよりもずっとDグループの方が充足感、幸福感が高かった。これは、裕福なアメリカだけではなく発展途上のアフリカなんかでも同様の実験をしたところ同じ研究結果になりました。どこの地域でも同じでした。仏教では、自利利他(他人の幸せが自分の幸せ)といいます。利他の精神です。この逆を、我利我利亡者(自分さえ良ければいい)と言います。
科学的結論と仏教は同じ結論だった。
ではどうすればいいか:あくまで一例ですが、、、、、
Bさんは、Aさんに定価よりも割引で売って、そのお金で親に体験などをプレゼントすることが望ましいという結論になります。Aさんは、お得に買えます。Bさんは、差額で売り上げをあげたり親にプレゼントすることができます。Bさんの親は体験や経験という無形資産で良い思い出を獲得できます。つまり、Aさん、Bさん、Bさんの親は全員得したということです。これで「三方良し」になります。
「三方良し」という精神で成功した近江商人の言葉があります。そして商売の基本と言われています。買い手良し、売り手良し、世間良しの三方です。
【近江商人の商売十訓】
- 商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり(商売は世のため人のためにするものであってその結果利益が得られるもので有る)
- 店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何(品質が一番大事ですよ)
- 売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる(売る前のお世辞よりも売った後のきちんとしたアフターフォローサービスがずっと末永い客をつく方法なんだ)
- 資金の少なきを憂うなから、信用のたらざるを憂うべし(資金が少ないことに一喜一憂しなさんな、信用をとにかく積み上げなさい)
- 無理に売るな、客の好むものも売るな、客のためになるものを売れ(強引に売るな、お客さんのためになるものを売りなさい)
- 良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり(良いものを売りなさい、悪いものは善では無いです)
- 紙一枚でも景品はお客さんを喜ばせる、つけてあげるもののない時笑顔を景品にせよ(サービスのおまけ、何もない時は笑顔をおまけにしなさい)
- 正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ(値引きをするな)
- 今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよ(きちんきちんとしなさい、精進しなさい)
- 商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ(他人のせいにするな、不景気のせいにするな、全ては自分の蒔いた種によるものです)
まとめ
「他人のため」に「無形資産」を与えることが自分と他人の幸福度が一番あがりそうですね。まあ、ミニマリストなんて言葉もあるようにものを持ちすぎても困るんですよね。必要最低限ものだけでも暮らしには困りません。だったらあげられるものは上げてしまえばいいんです。喜んで捨てる(喜捨)ことをするだけで楽になりますよ。有形資産も大事ですが、無形資産はもっと大事です。
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