はじめに
リベラルアーツ大学・両学長のYouTube動画でも特に人気のある【人生論】シリーズ。中でも「原因自分論」は、多くの人の心に響くテーマです。
この考え方、実は仏教の教えと非常に親和性が高いのをご存じですか?
今回は「原因自分論」を中心に、仏教的視点からその本質を解説します。
1. 原因自分論とは?
「すべての原因は自分にある」と捉える思考法です。
たとえば、
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「社員が使えない」→「その社員を雇ったのは自分」
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「辞めるなんて根性がない」→「根性が必要な職場環境を作ったのは自分」
このように感情論ではなく、自分の行動を振り返り改善につなげる。これが原因自分論の本質です。
2. 仏教の「因果の道理」とは?
仏教では、すべての出来事は「因(原因)」と「果(結果)」の関係で成り立つと説きます。
● 自因自果(じいんじか)
=自業自得。
自分の行動が結果を生む。これが「原因自分論」にぴったり重なります。
● 他因自果(たいんじか)
=他人のせいにする思考。
これを仏教では「愚痴」と呼び、成長や幸福を妨げる原因とされます。
※「愚痴」という言葉は、仏教的には“知恵の病”という深い意味があります。
3. 「諦観(ていかん)」で現実を逆算する
「諦める」の語源でもある「諦観」とは、結果から原因を冷静に見つめる思考法。
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何かトラブルが起きたら「誰が悪い」ではなく、
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「どういう行動がこの結果を招いたのか?」と考える。
これは数学で言えば「逆算」と同じで、原因自分論と非常に親和性が高いです。
4. 四聖諦に見る「問題解決の4ステップ」
仏教の基本教義「四聖諦(ししょうたい)」は、次の4つで構成されます。
項目 | 意味 | 現代での理解 |
---|---|---|
苦諦 | 今ある問題(苦) | トラブルの認識 |
集諦 | 原因の分析 | なぜ起きたかを考える |
滅諦 | 解決された理想 | 問題のない状態 |
道諦 | 解決までの道 | 改善行動の実践 |
原因自分論もまた、「原因→解決法→実践」と進んでいく思考法です。
5. 三世の因果が教えてくれる「理不尽との向き合い方」
仏教では、今の自分の境遇は「過去世の行い」による結果だと説きます。
これを「三世の因果(過去・現在・未来の因果関係)」と呼びます。
理不尽な出来事に出会ったとき、すぐに「他人が悪い」と考えるのではなく、
「これは自分の中にどんな原因があるのか?」
「これを機にどう変われるのか?」
と視点を変えることで、負の感情に支配されず前進できるようになります。
6. 「自利利他」の精神で人間関係が変わる
仏教では、「他人の幸せが自分の幸せになる」という教えを【自利利他(じりりた)】といいます。
両学長も、原因自分論を実践することで、
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良い社員が集まる
-
周囲にポジティブな人が増える
-
取引先とのトラブルも減る
など、周囲との関係性が劇的に変わったと話されています。
これはまさに「他人に与えることが自分に返ってくる」という仏教の教えそのものです。
7. 間違った「原因自分論」に注意!
ここで注意したいのは、
「すべて自分が悪いんだ…」と自分を責める方向に向かってはいけない。
ということです。
仏教でいうところの「諦観」や「智慧」は、自己否定ではなく、現状を客観視するための方法です。
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冷静に現状を捉え、
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正しく原因を分析し、
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自分の行動や考え方をアップデートする。
これが本当の意味での「原因自分論」であり、「智慧ある生き方」なのです。
まとめ:両学長=現代の智慧者?
リベ大の両学長の話を聞いていると、仏教で説かれてきた「因果の道理」「自業自得」「諦観」「自利利他」などの教えがそのまま体現されています。
仏教の知識がなくても、両学長のように人生を経験から学び、自分に矢印を向けて行動を変えられる人は、まさに現代の智慧ある人といえるでしょう。
人生をより豊かに、軽やかに生きるヒントは、仏教にも、そして両学長の動画にも、しっかり詰まっています。
おまけ:仏教と人生論は数式でつながる?
仏教では、行動(a)に縁(x)が加わり、時間の中で結果(y)が出るという考え方もあります。
数式で表すと、
y = a∫xdt
これはつまり、**「今の行動と関わる縁が、未来をつくる」**ということ。
思考も行動も、今この瞬間の選択で未来が変わっていくのです。
リベラルアーツ大学の両学長のYOUTUBE動画の中でも大人気の【人生論】シリーズを仏教目線で説明してみた。
必要になる仏教の知識
- 因果の道理:これを人生に当てはめた時に、「自因自果」「善因善果」「悪因悪果」となります。
- 智慧(自因自果=自業自得):幸せになる行いです。自分のせいという考え方です。智慧のある人。物事が起きる→他人ではなく自分に着地することを繰り返すことで正のサイクルができるんですね。
- 愚痴(他因自果):不幸になる行いです。他人のせいという考え方です。愚かな人。愚痴とは、痴の字は部首「病だれ」に知と書きます。つまり「愚かな知恵の病気」と説かれています。物事が起きる→他人で着地するで考えを終えると同じことが起きても同じことを繰り返すので負のサイクルができます。妬み、嫉み、憎しみ、恨みなど
- 諦観:諦かに観るということです。諦めるの語源と言われます。結果から原因に向けて見ることを言います。数学でいえば逆算のことです。
- 四聖諦:苦諦(現在の果)、集諦(過去の因)、滅諦(未来の果)、道諦(現在の因)により抜苦与楽になります。
- 三世の因果:仏教では変化し続ける世の中で輪廻していると説きます。そのため、現在人間でいる(果)のは過去世(生まれる前)の行い(因)によるということです。→理不尽とも向き合い方
- 自利利他:他人の幸せが自分の幸せになるという教えです。
仏教は自因自果=自業自得の教えなんですね。自分の行動aに縁xがあり結果yが出る。数式にすると、y=a∫xdt,,,となります。これに関しては、他の記事で説明しています。
【原因自分論(自因自果)】の概要
「全ての物事の原因は自分にある」という考え方です。
会社設立当時は、社員のマネジメントが上手くいかなかった。「ではどうすればいいんだろう」という悩みがありました。経営者の先輩の社員満足度の高い会社に相談しました。共通している考え方が「原因自分論」でした。これを導入することで、結果的に社員満足度の高い会社になりました。
これと、反対の考え方が【原因他人論(他因自果)】になります。この考え方は、社員のせい、客のせい、商品のせい、世の中のせいなど自分以外のせいにするという考えです。こういう経営者や上司、平社員の考えに「社員がポンコツなんだよね」「部下の出来が悪い」「昔は良かった」「嫌な上司なんだよね」「働きづらい」「あなたが言ってくれればいいじゃん」「こんなにしてあげたのに」なんて言います。愚痴です。
そしていい経営者に出会って学んだことがたくさんありその中の一つに「原因自分論」があったそうです。この考え方を導入してトラブルがめっきり無くなりました。
例:「このスピードについてこれない社員が悪い」→「雇ったのは自分」、「辞めるなんて根性がない」→「根性が必要な環境を作ったのも自分」。
感情論から、課題を認識できるようになりました。これは、「自分が悪い」とか「我慢すれば」とかではないです。自分がどれだけ頑張っても他人は変えられないんです。勘違いしてほしくないのは、【全ての原因が自分にあったと認識すること】で善悪ではなく認識することが大事である。
→だから、「環境を改善しよう!」「考え方を理解するために話をする」ただし、良い環境を作ることと贅沢をさせるは違う。因果の道理を正しく反映させよう。変えられるのは自分と未来だけ、他人は変えられない。生きていれば理不尽なことがあるんですが、それは仕方がない。その時に他人のせいにしたくなるが結局現状の解決にならない。原因自分論は、自分を責めるためにあるのではなく、考え方を変えて原因を客観視してみよう。(=仏教では、「諦観」と言います。)
(ちなみに理不尽なことは、三世の因果により生まれる前の行いによって現在結果として自分に返ってきたと説きます。知恵を広げると、原因自分論が成立します。)
動画中のまとめ:原因自分論にすると周囲には本当に良い人が増えて生きやすくなる。笑顔で幸せそうな友達がたくさん増えました。逆の立場で考えると嫌ですよね。「原因他人論」の人とは関わりたくないですよね。こういう人は周囲に良い人は集まらない。考え方を変えたことで、不思議と良い人が増えてくれました。社員も自立している人や自発的な人があつまり、自分も楽になりました(自利利他)。社内トラブルも無くなりました。取引相手も良くなりました。他人に良い意味で期待しなくなる(縁x)。原因の根本から考えてみよう。ただし、間違った原因自分論は、自分が悪いから諦めよう、ではなく、状況を客観的に認識して、自分の行動を変えていく。(=仏教では「四聖諦」といいます。)お金持ちでも幸せじゃない人はたくさんいるんですよ。これは考え方が良くないんです。豊かに生きるためには、お金だけでは無く考え方も育てていこう。
記事まとめ
動画を見た感想は仏教の教えそのままだなと思いました。リベ大の両学長は、仏教目線で言えば非常に智慧のある方(自業自得を本当に理解している)です。リベ大の他の動画でも仏教の教えと同じことを説明しています。自分の人生経験からです。自分自身は結果的に仏教に落とし込んで理解していますので学んで良かったと感じます。
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