【仏教×記憶術】80点を90点に引き上げる“本質的”な学び方
近年はAIの進化やインターネットのおかげで、ほとんどの情報はすぐに調べられるようになりました。本当に便利な時代です。
でも、それでもやっぱり「記憶力」は重要です。
なぜなら――
覚えていることが多いほど、調べる時間は減るし、試験や実践の場で圧倒的に有利になるからです。
記憶力は“力”。技術だけでは足りない
正直に言えば、「記憶術」自体は世の中にたくさん存在しています。でも、実際に結果を出せる人はごく一部です。
その理由は、「技術」だけに頼ってしまうから。
技術(テクニック)は大切ですが、それを支える「方向性」や「行動」が伴っていなければ、逆効果にすらなり得ます。
仏教ではこのあたりの考え方がとても理にかなっているので、今回は仏教的アプローチから記憶の本質を見ていきましょう。
1. 「記憶すること」をまず“意識して記憶”する
「勉強しなきゃ」と思っても、ただなんとなく見ているだけでは脳に残りません。
まずは、「これは覚えるんだ」と自覚すること。それが記憶の第一歩になります。
2. 行動(業)を意識する:仏教的“記憶の型”
仏教には「三業(さんごう)」という考え方があります。
これは、私たちの行動を**口・身・意(ことば・からだ・こころ)**に分けて捉えるものです。
記憶術として見ると、これが非常に使えます。
▷ 口業(くごう):ことばの行い
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表業(ひょうごう):人前で話す、会話など
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無表業(むひょうごう):独り言、音読など
独り言は侮れません。声に出すと記憶が定着しやすくなります。恥ずかしがらず、ぜひやってみてください。
▷ 身業(しんごう):からだの行い
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表業:授業中の発表や人前での行動
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無表業:人に見られていない場所での行動(自習など)
授業中だけでなく、自分一人の時間にどれだけ本気で行動できるかがカギになります。
▷ 意業(いごう):こころの行い
これは24時間ずっと動き続ける“思考”のことです。
仏教では「意業」が三業の“ボス”とされています。実際、記憶のカギは思考の習慣化にあります。
3. 一日中、思い出す。いつでもどこでも、思い出す
勉強を成果に変える一番の方法は、「毎日、繰り返し思い出す」ことです。
朝起きた瞬間から、食事中も移動中も入浴中も、授業や仕事の合間にも、ずっと。
これは最近の学習法では「アクティブリコール」と呼ばれ、記憶術の中でも最強といわれています。
4. 時間を空けて、また思い出す(スペーシング)
復習のタイミングも大切です。やった直後ではなく、時間をおいてから。
仏教的にも「結果はすぐに来るものではない」と説きます。
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順現業(じゅんげんごう):すぐに返ってくる結果
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順次業(じゅんじごう):しばらくして返ってくる結果
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順後業(じゅんごごう):完全に忘れた頃に返ってくる結果
長い時間をかけて積み重ねた結果は、強力で深く、揺るぎないものになります。
間隔を空けながら、あえて思い出す訓練をしましょう。
5. 技術よりも大事な「方向性」
記憶術は、あくまで“力”です。
その力をどこに向けるか――方向性が本当に大切になります。
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智慧(ちえ)+記憶術:自分の成長になる(正のサイクル)
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愚痴(ぐち)+記憶術:嫌な記憶に苦しめられる(負のサイクル)
たとえ素晴らしい記憶力を持っていても、悪い方向に使えば自分を蝕むだけです。諸刃の剣になってしまいます。
最終目標:ノートを見なくても、頭の中にある状態
教科書やノート、資料を見なければ思い出せないレベルは、まだ“依存”の段階です。
最終的なゴールは、頭の中だけで完全に再現できる状態。
これができれば、試験や仕事の現場でも余裕が生まれます。
まさに「人生のイージーモード」です。
まとめ
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記憶するなら“意識して”覚える
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三業(口・身・意)を整え、行動を最適化
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一日中、どこでも思い出す(アクティブリコール)
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間隔を空けて復習する(スペーシング)
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技術だけでなく、正しい方向性を持つ
「言うは易く、行うは難し」といいますが、継続できれば必ず差が出ます。
記憶は一生モノの武器になります。
ぜひ、仏教的な視点を学びに取り入れてみてください。
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